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馴れ初めをもう一つ2~Opaque emotion.~

えっと…区切りは付けましたが、ちょっとだけこの話は続きます。
ただそれはクラティナの方のお話が進むとこのお話も進むという感じです^^;
だから一旦此処で終わり?という形になってます。
今回も…まあ話はちょっと長いですが、展開が色々入り乱れているんで読みにくいかもです。
あとこのお話には何気にバッソさんがいたりします。今後出るかは未定ですが実は正宗さんもいたりします。


注意事項
二次小説です
管理人の妄想と捏造が入り乱れています
皆様のイメージと180度違う場合があります
ゲーム本編の内容と一切関係ありません
クラティナで現パロです
だけど今回はセフィディア要素が強いですよ
大丈夫という方のみ追記からどうぞvvv













馴れ初めをもう一つ2~Opaque emotion.~











気が向いたときで良い。
そう何度も自分に言い聞かせた。なのに、その次の日も私は七階の関係者以外立ち入り禁止の扉の前に居た。これでも迷った方だ。普通だったら、学校が終わったら私は真っすぐ、お気に入りのカフェに行って、いつものように天気が良かったらテラスの席に座ってお茶を飲みながら、大好きな本のページを捲っている所なのに。
私は其処に居た。
彼のアトリエがあるビルはお店も沢山あって、夕方になるとかなりの人が行きかう。人通りが多い所はちょっと苦手だからあまり寄りたくないけれど。私の足は、体は其処に向かっていた。
…今日は一階のカフェが気になるから、そのついでで寄っただけだと思おう。と、そう言い聞かせた。
制服の儘来てしまったけど良いかな?それよりも…私はまた何の連絡も無しに来てしまった…居るだろうか?出てくれるだろうか?
少し緊張しながらドアノブを掴んだ。
廊下が異様に長く感じる。白い壁の感覚が狭くなっているような気がする。奥まで辿り着くと指が震えながらインターホンを押す。自分の行動なのに…自分の意思で無いような気がした。
鳴らした瞬間、扉が勢い良く開かれた。銀の髪が揺れる。緑の瞳は時を経た宝石のように綺麗だ。今日は少し感情の色が含んでいるようで冷たい色なのに温かい解けた氷のようだった。
「ごめん……今大丈夫?」
自信が無くて、そう尋ねたら貴方はすぐにああ、と柔らかく是の形を為した返事を返してくれた。ほら、と言うように私が通れるように大きく扉を開いてくれた。
リビングは綺麗な儘、けれど昨日より僅かに画材の香りが強かった。貴方が動く度に覚えのある香りが流れた。
「お仕事だったの?」
「…そう…かもな」
ごめん、なんて言うな。と昨日のように先に言われてしまった。本当に言おうとしていたから吃驚していると貴方は悪戯が成功した子供のように笑った。
「君は意外と気を使うタイプだな」
何となく悔しくて睨んだら、可笑しそうに笑われて、そうして静かに眉間に指を宛てられた。美人がそんなに睨んでは駄目だ。と…どうして真剣に見つめるのかな?
「セフィロスは眼科に行った方が良いと思う」
だって可笑しいよ。
私は綺麗じゃない。何処にでもいる女の子で、普通の子。
そう言うと、貴方は益々面白そうに笑っていた。嘲るという訳でも無く、ただ純粋に。
「見目も大事だが目では見えない物なのだよ」
綺麗であれば人形で良い。陶器のオブジェでだって構わない。
「ディア…君は今まであった誰より綺麗だ」
何が、と形容しがたいが。姿形もだが…囁くんだ。頭の芯が温かくなって
「君が…」
言葉は其処で途切れて、はぐらかす様に貴方は静かに微笑んだ。
この話はおしまいだ、と言うと貴方はソファに腰掛けて傍にあったスケッチブックを手に取った。其処には昨日付けた鉛筆の痕がそのままで、そのページは使わずに別のページを捲って、迷いも無く鉛筆を走らせる。
後味が悪かったけど、言葉の続きを求める事が出来なかった。
白紙だったページは目の前の風景をどんどん映し出していく。貴方は正確に、鮮明に風景を広げて行く。多分並べて見てみればそのままの風景だ。
「ねえ…そのスケッチブックの絵…見せて」
「…ダメだ」
「…」
「すまない…見られたくないものもあるから」
「ああ…ヌードとか」
「……………君はどうしてそう言う事を臆面も無く言うんだ」
「ごめんなさい」
「…まあ良い……そうだな…これの中にはそういうものもある」
「あるんだ」
「でも…それじゃない」
…少し残念だけど…嫌なら仕方ない。無理強いはしない。誰にだって見られたくないものだってある。
仕方が無いから彼の方、正確には手元を見ていたらピタリと手が止まった。何だろうと思ったら貴方は少し困ったような顔をしている。いつもはまっすぐに伸びた眉は僅かに歪んでいる。何かしたかしら?と思って思わず小首をかしげると、その…と続かない言葉の後に、あまり見ないでくれと、恥ずかしそうに呟いた。
「…恥ずかしいの?」
「…ああ」
「こうやって見られるのは嫌い?」
「……平気なはずなんだが」
パタンと音を立ててスケッチブックを閉じると、今日は無理のようだと苦笑いを浮かべた。何となく悪いことをしてしまった。彼が何かを描いている時は本を読むなりしてやり過ごそうかな、と密かに思う。
「…ディア」
「ん?」
「奢るから夕飯に付き合え」
「え?」
「少し早いが…良いだろ?」
「や…やだ」
「安心しろ、デザート込みだ。」
「そうじゃなくて!!」
「…俺とは嫌か?」
その言葉だけ鼓膜を付く様に私の耳に響いた。
「…そうじゃなくて」
そうじゃないよ?
ただ…怖かったんだ。何故かはわからないけど…怖かった。
明確な答え出せないまま黙っていると、彼が強引に私の手首を掴んでぐいぐい引っ張る。
「下のカフェだが良いか?」
「…うん…でも」
遠慮しているのか…そんなに嫌か?と、見つめた瞳が不安で揺れていた。すぐにかぶりを振って否定すると表情は元の涼しげな綺麗な顔。
引っ張られる腕を自分の方に力を入れて寄せて抵抗しても抵抗にならない。そのままエレベータに乗せられて、長い指は1のボタンを押した。狭い中だと心臓の音まで聞こえそうで怖い。この人と居ると自分のペースを乱されて困る。距離を置きたいのに、相手は中々そうさせてくれない。遠すぎず近すぎず、距離を計って接してくる。程良い距離感なのに抜け目なく捕まえて離さない。ぎこちないのは自分だけで、彼は淡々と自分のペースを崩さずに隣に立っている。今彼はどんな表情をしているのだろう?と、気になってチラリと視線だけ貴方の方を盗み見た。歪みの無い銀の髪の合間から彼の肌理のこまかそうな肌が見える。長い睫毛に縁取られた目。その真ん中に淡い蛍石に似た色の瞳。
…いっそモデルなんて要らないんじゃないか、自分の顔を描いた方がなんぼか良いんじゃないか、と思う。(自分で自分の顔を描いてる所を想像するとちょっと気持ち悪いけど。彼なら何と無くだが許せるような気がする…多分。…うん、多分。)
チーンと高い金属の効果音が鳴り、一階に着いた事を知らせた。早くその場を離れたくてすぐに出ると少し冷たい空気が頬を撫でた。心なしか頬が熱いような気がした。
私が先にカフェの扉に着く前に彼がそっと前に出て、その扉を開けた。先にどうぞ、と言うように私を見つめて中へと促す。
カウンターにいた男性と目が合う。彼と私の方を見遣るとふわりと優しく微笑んだ。此処のマスター…かな?何となくだがそう感じた。お店のアンティーク調な雰囲気とその男性はピッタリと嵌っている。黒い髪は雑作な感じだが丁寧に作り込まれている。何処となく友人に似ている。きっと大人になったらこの人そっくりになるような気がした。硝子玉のような蒼い瞳は慣れた感じでセフィロスに近づく。
「いらっしゃい…セフィロス、その子は?」
「あ…えっと」
「…秘密だ」
「…えー」
「…あ…その、ただの友達です」
「…」
彼の秘密という答えが何だか紛らわしくて、曖昧で嫌だった。
けれども、私の友達という誤魔化した答えも何だか違和感と、言い知れぬ嫌気で心地が悪かった。言った後、何だか悲しくて後悔している。
でもそう言うしか無くて、仕方ないと、後悔は胸にしまう。
彼の方が気になって見遣ると何処となく表情が苦い物を口に含んだようなものだった。どうしてこの人がこんな表情をしているんだろう…あ…モデルです。と言わなかったからかな?なんて一人で考えていたら、ふ、と吹き出したような声が響いた。男性は隠しもせずに声を立てて笑った。それは私にではなくセフィロスに対してのようだ。
「残念だな♪」
「煩い」
「?」
そんなに私の答えは駄目なものだったのかな?でも事実だし。それ以上でも、それ以下でも無い。モデルの件だって承諾した訳でもない。(嘘で「モデルです」なんて言ったら、上げ足を取られるだけだ。)
私達はただの知り合い。名前と、職業、ケータイの番号とアドレスを知っている。ただそれだけの関係。それだけんなだ。
私は何かを期待している。
そうして、望んでいる自分がとても浅ましく思えた。
マスターが座って、とカウンター席の椅子を軽く引く。心に抱いた苦いものを誤魔化したくてすぐにその席に座ると、彼は少し不機嫌な感じになった。
「いつもは何処に座るの?」
「…奥の」
長い指が指す方向はカフェの一角。多分どの席よりも店の中を眺めることが出来て、そして静かな時を過ごせる特等席。
「良いじゃん、この子とお話したいし」
それは私もかな。マスター良い人だし。気に入ったカフェのマスターとは極力お話したいし。
良いでしょ?と私がセフィロスに尋ねると彼は小さく息を吐いて解ったと苦笑気味に笑った。

私はオムライスと食後にイチゴのタルトと紅茶を頼んで、彼はいつもの。と短く言う。その答えにマスターはにっこり笑って待っていて、と言うと厨房の方に入っていく。
「いつものって?」
「…選ぶのが面倒だから日替わりだ」
なんだか貴方らしいと思って思わず笑ったら不思議そうに見つめられてしまった。
何でも無いと笑って言って誤魔化すと少し視線が和らいだのに気付いて少し安堵する。この人に見られるのに慣れるのは少し時間がかかりそうだ。
普段は気にしない視線も、この人のものだと異様に心臓が跳ね上がる。
話をしたくても、普段がそんなに喋るタイプでも無いから急に話題なんて浮かばない。
時計の時を刻む音だけが響く。その音が耳障りだと不快と焦りを抱く。
「…ディア」
「ん…え?」
「今日はどうして来た?」
「だって、来て良いって言ったもん」
私の気が向いたから来ただけ。そこに深い理由なんて無い…筈だった。
けれども胸にチリチリと焼けつく。心がざわめく。理由を見出したいけど、駄目…なんだ。怖いと、ずっと心が嘆く。
 本当はモデルになってあげる、と言えたらどんなに良かっただろうか。
 でもそれは決して言ってはいけない気がした。
彼はまた寂しそうに笑うだけだった。何の用事も無いのに訪ねてくる私を諌めもしないで、ただ残念そうに微笑むだけだった。
ごめんね。
本当は…
彼も私も何一つ言葉が交わせずに沈黙だけが流れた。空気が張り詰めているのが容易に感じ取れた。学校の子や先生はあまり好きじゃないけれど決して協調性が無いとか、話すのが嫌いという訳ではない。今だって話題を探して口にすると言う事は出来る。普段なら出来る事なのに、今は出来なかった。口を開けばモデルになってあげる。と言ってしまいそうだった。
嫌だけど。
向いてないけど。
この人が笑ってくれたら
この人が喜んでくれるなら
もう寂しげな表情を作る事がないのなら
嫌な事でも良いと言ってしまいそうになる。
耐え切れなかったのか隣に座っていた彼がポケットの中から小さなメモと鉛筆を取り出す。メモと思っていたそれには罫線は無くただの真っ白の紙。予想通りその紙の上に鉛筆を滑らせた。何を描いているのか気になって視線を彼の方に向けるとカウンターの上のお酒の瓶の列と繊細な細工の硝子のランプ。
「…いつも持ってるの?」
「ああ」
「絵は…何時から描いてるの?」
「幼いころからだ」
「好きだったの?」
「…さぁな」
「?」
「最初は…好きだったのかもしれない」
「…今は?」
「少し…息苦しいな」
「………セフィ」
「ん」
「…好きになると良いね」
そう言うと、彼の手元がぴたりと止まる。驚いたような顔をして、クツクツと喉を鳴らす様に笑い始めた。
「ディア」
「なに?」
「好きだ」
「…そっか…良かった」
折角綺麗な世界を描けるのに、折角美しい物を映し出せるのに、嫌いだなんて勿体ない。
良かったともう一度言うと、彼は綺麗に微笑んでいた。嬉しそうに、悲しそうに。曖昧な微笑を浮かばせていた。そうして彼の視線はデッサンの対象物に戻り、鉛筆を持つ手元もまた紙の上を滑らかに動かしていく。
「…絵は好きだ、だが」
「…」
「大人になると色々と要求されて…少し居心地が悪い」
「…そっか」
「ただそれだけだ…本当は」
好きなものを描ければ…それで良いのに
その言葉が少し引っ掛かる。
好きなもの?
貴方は…どうして私をモデルにしたかったの?
お仕事だから
それが要求されたものに合致したから?
出来ることなら
せめて

お待たせ、と楽しそうなマスターの声で願望に囚われた意識が覚める。
今私は何を考えていた?何を想像して、何を望んでいた?急に怖くなって、恥ずかしくなった。彼やマスターに気持ちが洩れていないか不安にもなる。
マスターは鮮やかな笑顔で私が頼んだオムライスを置いて、彼には今日は日替わりビーフシチューだけど、と言って、シチューとサラダ、パンのお皿を置いた。彼も何事も無いように置かれた料理を見て、手を付ける。
小さく安堵して私も用意されたオムライスに手を付ける。











マスターのごはんは美味しい。卵がふわふわで、綺麗に巻かれていて、チキンライスも上にかかったデミグラスソースも完璧で、デザートのタルトもケーキ屋さんのより美味しい。普通にレストランで出せるんじゃないかと思うほど。けれど料理の味よりもふとある疑問が浮かんだ。
「何時も…此処で食べるの?」
「ああ」
「夕飯だけ?」
その問いかけにコーヒを飲む彼は黙ってしまい、代わりに、朝と昼もだよ。と答えたのはマスターだった。セフィロスを見つめる瞳は呆れの色が混じっている。
「体に悪い」
そうきっぱり言うとマスターもうんうんと首を縦に振る。マスターは気を使って野菜を多めに使った物を作ってくれているけどそれでも限界はある。
もっと言ってやって、とマスターが催促する。炎の青のような瞳は僅かに心配の色を滲ませている。
「せっかくアトリエの方に台所あるんだし…大きな冷蔵庫もあるし、ちゃんと自炊くらい…」
「じゃあディアが作れば良い」
「は?」
何でそうなるの?思わず間抜けな声が出てしまった。彼はそれに吹き出し笑う。
「俺は此処で構わない、でもディアが気になるんだったら、ディアが作れば良い」
「ちょっと!!」
「そうだな…明日の夕飯はパスタが食べたい」
「だから!!」
異を唱える私に反して彼は飄々と言って退け、マスターも、ああその手があるか、なんて感心したように言う。ちょっと待って!!
「なんで私が…」
「なら…もう言うな」
なんだろう…今、言葉に棘があったような気がする。
さっきまで笑っていたのに…子供が拗ねるような。口喧嘩で勝てなくて仕舞いには拗ねる子供の声に似ていた。
…地雷…だったのかな?誰にだって一つはある、その人が触れて欲しくない話題。
自炊が出来ない…とか?でもそれにしても彼の着ているシャツや、黒のスラックスは綺麗に整えられている。(クリーニングっていう線もあるけど)あと、部屋がとても綺麗だ。少し几帳面な感じもするし。あの部屋の整理は多分彼一人が全部やっている。彼がお手伝いさんとかを雇うタイプの人間ではなさそうだし。彼はきちんとしているけど別の理由で此処に来ているみたいだった。
「…ごめんなさい」
「ディア?」
「あ…うん…何となく」
後味が悪かった。折角美味しい物を食べに来ているのに言い争いとか、彼の地雷を踏むとかをしたいわけじゃ無かったのに。
「…いや…大人げないことを先にしたのは俺だ」
小さく笑う。貴方は大人だから、そうやって何でも隠すんだ。
完璧な笑顔で。
少し狡いと思った。
少し悲しいと思った。
大人な彼は誤魔化し方をしっていて。秘密にする術も身につけていて。
彼の事を何も知れない私は、彼の世界には入れない。














食べ終わって会計を済ませると、マスターはまた来てね。と言ってくれた。優しい眼差しで見つめられて、出たく無いなと名残惜しくなってしまった。
店を出ると、そろそろ帰る時間か?と私は言う前に彼が尋ねてくる。腕時計の短い針は6の部分を指している。本当はまだ大丈夫。クラウドが画塾から帰って来るのは8時だからそれまでに家に居れば良い。けれど…私はうん、と頷く。長い時間この人と一緒に居ることはしちゃいけない。
彼は君のカバンを取って来る。と言ってすぐにエレベータに乗ってしまった。
足元が震える。眩暈の揺れが襲う。
自我が崩れる。ううんもう崩れ始めているのかもしれない。
彼が戻ってきて、私の鞄を差し出した。それを受け取ると彼はくるりと私に背を向けてエレベータの方へと向かう。
「あ…待って!!」
「…どうした?」
「あ…あのね」

もう自我は崩れている
微かに顔覗かせた衝動

「デッサンだけなら…良いよ」
「え」
「私なんかで良いなら…モデルは無理…いつもは無理だけど…デッサンだけ…なら」
「良いのか?」
「うん」
「…ありがとう」
彼が笑う。嬉しそうに。子供が玩具を与えられたように無邪気に微笑む。
彼が微笑むと一つ心臓の鼓動が高鳴った。
後悔した。
それの存在を認めてしまったようで。
自分の欲を
願望を叶えるために…利用してしまったようで後味も悪かった。


















「…………色々あったな」
帰宅後すぐには眠れなかった。弟の話で昔を思い出してしまった思考が落ち着かない。ベッドから起きて回収した弟が描いた少女の絵をまじまじと見つめ、小さく笑みを零した。
人形の様な可憐な造りの顔を軽く撫でる。其れが絵で無ければと密かに願ってしまう。
きっとこの娘は同じなのかもしれない。
私と同じ。
きっとセフィもこの子を見れば私と同じ事を思う筈。
実物を見てみたい。
サイドテーブルに置いたままのカメラを手に取り、その絵を映す様に覗きこむ。
良く彼が口にする“掻き立てられる”なのかもしれない。
きっと本人を目の前にしたらその気持ちは余計に膨らむんだろう。まだ見ぬ子に期待を寄せるのは弟の片思いの相手という理由からだけでは無い。クラが選ぶ子だから魅了するものがあるに違いない。
会えると良いな…。どうにかして会えないかしら?でもそれにはまずクラがちゃんとこの子にモデルになって欲しいって言えるようにならないと。
期待は薄いかな…と苦みを含んだ笑みを滲ませた。
もう一度彼女の顔を見ようとした時、部屋の扉が開いた。時計の針は1の部分。今日はまだ早い方かなと思いながら扉を開けた相手を見遣った。
「…まだ起きてたのか」
「ん…ちょっと寝れなくて」
珍しいな…と言う彼の為にベッドの端の方にスペースを開けて入れるようにする。
「…それは?」
「ああ…クラの描いた絵」
ずっと手にしていた絵を彼にも見えるようにすると僅かに表情が変った。
「クラのモデルにしたい子…かわいいよね」
「この子が……あ」
「セフィ?」
「いや…似ている子を知っているから」
「え?」
「アトリエを貸してくれた人…あのビルのオーナーの娘さん」
「ふーん」
「他人の空似かもしれないが…」
でも確かに綺麗な子だった。
「モデルにしたい?」
「ああ………でも俺はディアだけで十分だ」
「あー…はいはい」
「…ディア」
手にしていた絵を取られてサイドテーブルに置かれてしまった。(ついでにカメラも一緒に)
そうして長い腕が私の体が離れないようにぎゅ、と抱きしめてくる。
「本気だぞ」
「…ごめん」
知っているよ。もう十分すぎるほど解っているよ。だから真剣に見つめないで。熱を持った貴方の瞳は未だに苦手。心をすぐに掠め取って私を魅了するから。
どうやっても抗えない。きっとあの時も…モデルの話の時から私は貴方に捕まっていたのかもね。


私達が一緒に居られるように
あの子も…この子とずっと幸せでいられたら良いのに。








この話ですね…実はまだちょっと続きます。
ただ此処で一旦区切ります。
あとセフィはちゃっかりディアさんより先にティナさんに会ってます。
今後もちょこちょこセフィとティナは会ったりお話したりしますw
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